敦賀市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン物流実証実験の第二弾が実施されました

8月26日(金)に、敦賀市金ヶ崎緑地及び東浦地区において、地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向け、交通弱者等への買物支援を想定したドローン配送実証実験を実施されました。本実証実験は、国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」*1を活用した取り組みです。

なお、本年1月には愛発地区において、敦賀市の地理的特徴を考慮した「市街地・過疎地連結型ドローン物流」の実証実験を実施しており、今回は第二弾の実証実験となります。

実証実験概要

  1. 背景と目的

    敦賀市は総人口63,839人(2022年7月末現在)、面積は県内3番目の251.41km2で、地理的に典型的な扇状地形であり、市街地が中央に位置し、放射状に山間地域が広がっています。今回実証実験をする東浦地区は、敦賀湾に面し、風光明媚な地域ですが、アクセスが1本の道路しかない過疎地で、地域住民が市街地までの食品や日用品の買物、医療施設への移動に時間がかかり、災害時には孤立集落になるリスクのある地域です。

    今回の実証実験は、スマート物流の社会実装に向けて、本事業の市民理解の醸成と敦賀市の他地域への拡大の可能性、将来的な観光施設との連携を目的として実施いたします。
  2. 実施内容

    東浦地域に住む交通弱者等への買物支援や観光施設との連携を想定し、敦賀赤レンガ倉庫内のテイクアウト商品(敦賀赤レンガ倉庫内のレストラン、Sogno-Poli(ソニョーポリ)のオードブルと赤れんがcaféのデザート・ドリンク)を、金ヶ崎緑地から東浦公民館までドローンでオンデマンド配送しました。

    住民が出前館アプリで注文し、SkyHub®︎2システムに配送通知が入ったことを想定して注文されたテイクアウト商品が、敦賀赤レンガ倉庫内の飲食店で調理され、出前館のスタッフによりドローン離陸場所である金ヶ崎緑地ボードデッキまで徒歩によりデリバリーされてドローンにセットされ、東浦公民館に向けて片道約7.8kmの距離を約16分、エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*2で飛行しました。商品はこぼれたり崩れることなく、無事東浦公民館で待つ植本太郎さんの手に届けられました。
本ドローン配送実証実験の流れ

ドローンで配送されたテイクアウト商品を受け取った植本太郎さんは、「遠い金ヶ崎緑地からここまでドローンで飛んでくるとは思わなかったのでびっくりした。雪が降ると国道8号線も止まってしまうので、ドローンで運んでくれるのは本当にいいことだと思う」とコメントしています。

本実証後、まずは敦賀市愛発地区における新スマート物流SkyHub®の今秋の実装を推進します。具体的には、各社荷物等を集約ならびに一時保管する拠点、ドローンデポ®と、愛発地区内にドローンの着陸地点となる複数のドローンスタンド®を設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービス等のサービスの開始準備を進行しています。

*1 デジタル田園都市国家構想推進交付金

福井県敦賀市の「ドローンを活用したスマート物流構築事業」がデジタル田園都市国家構想推進交付金デジタル実装タイプ(TYPE1)に採択され、今回の取組みもその事業の一環。デジタル田園都市国家構想推進交付金デジタル実装タイプ(TYPE1)とは、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けて、他の地域等で既に確立されている優良なモデル等を活用して迅速な横展開を行う地方公共団体の取組みを支援するもの。

*2 SkyHub®︎

エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。
SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 物流専用ドローン AirTruck

次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*4により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

*4 機体構造設計技術4D GRAVITY®

飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

福井県敦賀市とは

福井県の中央に位置し、北は日本海に面し、他の三方は山岳が連なり、平野部を囲んでいます。面積251.41㎡に対して可住地面積は53.07㎡と平野は少なく山間部を多く抱えています。 
再エネ主力電源化に向けたバーチャルパワープラントや、再生可能エネルギー由来水素の実証など、脱炭素に向けた取組みを展開しており、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするゼロカーボンシティを宣言しています。脱炭素の取組みにより、地域課題の解決を目指しています。
*敦賀市詳細についてはhttps://www.city.tsuruga.lg.jp/index.htmlをご覧下さい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA