全国新スマート物流推進協議会

買物弱者、医療弱者、災害対応といった地域課題に密接に関わる物流の維持。そして物流業界自体が抱える課題の解決や付加価値の創出にはドローンをはじめとしたテクノロジーの活用が今後不可欠です。
今後の社会実装に向けてより多くの自治体様と企業の皆様にもご参画いただき、地域社会から日本を元気にする嚆矢となることを願っております。

新スマート物流とは?

買物弱者、医療弱者、災害対応といった地域社会の抱えるさまざまな課題に物流は大きく関係しています。また、人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応など、物流業界自体が抱える課題も多く存在しています。そのような課題の解決にデジタルとテクノロジーを活用することが、地域物流の持続性を保ち、豊かで活き活きと暮らせる地域を守るためには不可欠です。

具体的には、地域の中での荷物の動きの最適化、地域に出入りする荷物の動きの集約と効率化、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等の複層的な活用により地域社会のモノの流れを最適化させ、省人化対応、脱炭素化を実現していくこと。それが「新スマート物流」の概念です。

全国新スマート物流推進協議会とは?

新スマート物流を通じて豊かな地域社会を実現していくには先行する地域の取組み事例や実装プロセス等の貴重な経験値を関係者で共有していくことは極めて有効です。政府が推進するデジタル田園都市国家構想の「地方の魅力をそのままに、都市に負けない利便性と可能性を」を実現するべく、多様なプレイヤーが知恵を出し合いながら新しい社会基盤をともに築いていく。自治体を中心に、官民・業界内外の垣根を超えたオープンな議論と情報共有を行い、新スマート物流のより早い社会実装を推進していく組織です。

発起人代表メッセージ上士幌町長 竹中 貢

上士幌町長 竹中貢

この度は、全国新スマート物流推進協議会にご関心を賜り、誠にありがとうございます。

我が国は2008年を頂点に人口減少に転じ、中でも農山漁村、離島では、少子高齢化が顕著で、人口減少が加速し、自治体消滅の危機に直面しております。そのため、都市と地方、北から南まで均衡のとれた発展と持続可能なまちづくりを目指す新たな地方創生は、喫緊の課題となっております。

私が町長を務めております上士幌町は、東京から1000㎞以上離れた所に位置しております。この距離を縮めることはできませんが、ICTが時間軸を縮め、人口規模にかかわらず、都市と同様のサービスを可能とするのがテクノロジーの力と考えております。

全国的に地方の鉄路が廃止されている中で、高齢者等の交通弱者は、買い物や通院などに不便な生活が強いられています。こうした現状に本町では、いつでも必要に応じて移動できるMaaSの取り組みや、買い物弱者のためのドローンを活用した配送などで、誰一人取り残さない地域づくりに取り組んでおります。また、物流のラストワンマイルに、ドローン等最新のテクノロジーが活躍することは、脱炭素、省エネの観点からも極めて価値のあることと認識しております。

国としても岸田内閣が地方創生の主要施策として「デジタル田園都市国家構想」を掲げられました。社会や経済におけるデジタル化が大きな潮流となる中、地方が抱える共通した課題に対応すべく、思いを同じくする自治体が発起人となって「全国新スマート物流推進協議会」を発足することとなりました。今後は全国の自治体や企業の多くの皆様の賛同を得て、その輪を広げ、「全国どこにいても快適、どこでも安心して暮らせる日本」を官民が一体となって実現していきましょう。

発起人ご紹介

小菅村
(山梨県)

山梨県小菅村は、東京から約2時間、東京都・神奈川県を流れる多摩川の源流部に位置し、東京都奥多摩町に隣接する人口679人(2022年1月1日現在)、森林率95%の美しい自然に囲まれた村です。昭和62年から「多摩源流」をキーワードとした村づくりを行っており、近年は、道の駅こすげ、古民家ホテルNIPPONIA小菅、クラフトビールのFar Yeast Brewingなどによって観光客が増加し、子育て世代を対象とした源流親子留学による移住者誘致も注目を集めています。

敦賀市
(福井県)

福井県敦賀市は、日本海に面する市街地を中心に、穏やかな山々に囲まれており、山間部にはのどかな集落が広がっています。古来より大陸からの玄関口としての歴史があり、江戸中期から明治にかけ、北海道や東北からの物資を都へ送る中継地として港や鉄道が発展し、戦前にポーランド孤児やユダヤ難民が日本で唯一上陸した「人道の港」としても知られています。住みたくなるまち敦賀実現のため、2024年春の新幹線開業に向けたにぎわいの創出、グリーン&デジタル都市への挑戦に取り組んでいます。

東川町
(北海道)

北海道のほぼ中央に位置し、旭川市や旭川空港とアクセス良好ながら、豊かな自然の中にある東川町は、「写真文化」を軸に“文化”を中心としたまちづくりを行っています。全戸が大雪山の伏流水で暮らす「地下水の町」、おいしい素材を使った「カフェの町」、個性的な作品を産む「家具・クラフトの町」、旭岳を擁する「大雪山文化」の町、海外交流が盛んな「多文化共生の町」―。これらの要素が互いに影響し合い、“東川スタイル”と呼ばれる豊かな文化を育んでいます。

上士幌町
(北海道)

北海道十勝地方に位置し、人口約5,000人、東京23区より広い約700㎢の行政面積を抱える農山村です。過疎化と少子高齢化が進み、消滅可能性都市であった「まち」が、先の国勢調査では65年ぶりに人口増に転じました。全国トップレベルの酪農業を軸に、バイオマスガスの再エネ発電と地産地消、子育て支援などに加え、交通弱者には、ICTを活用した福祉バスのデマンド運行、買い物弱者には、ドローン配送など社会課題への取組が評価され、第4回ジャパンSDGsアワードで内閣官房長官賞を受賞しました。

境町
(茨城県)

境町は利根川と江戸川の分岐点に位置し、江戸時代には河岸の街として発展しました。平成29年には圏央道の茨城県内全線が開通、車で東京へ1時間と交通の便が向上し、IC周辺の開発や企業誘致などが進んでおります。
最近では、世界的建築家の隈研吾氏が設計した施設(全国市町村最多の6施設整備) を拠点とする地域活性化や、令和2年11月に、「シンプルに困っている人を助ける」手法として、全国自治体初の自動運転バス定常運行を開始するなど、新たな事業にも積極的に取り組んでいます。

これまでの取り組み実績

小菅村が抱える課題

小菅村は人口約700名(約330世帯)、高齢者率45.9%(2020年10月時点)であり、市街地から離れた山奥に位置する過疎地域です。村内にはコンビニも無く小型商店が1店舗あるのみで、スーパーに買い物に行くには、車で片道約40分かけて隣町まで行かなければならないため、買い物弱者問題が深刻化しています。また村内には古くからの診療所が1つあるだけで、総合病院や検査のためには隣町まで通う必要があります。

新スマート物流の導入
(実施主体:セイノーHD㈱、㈱エアロネクスト、㈱NEXT DELIVERY

  • 村内に空き家を活用した物流倉庫兼拠点(ドローンデポ®︎ )を設置し、2021年4月からドローン配送と小菅村の隣の都留市にある地元スーパーの食料品・日用品の買物代行を試験的に開始し、日常的なコミュニケーションを通して村民の理解を深めながら、頂いた声を反映し、本格サービスに向けて改善と磨きこみを実施していきました。
  • 2021年11月からは「ドローン配送を含むオンデマンド配送サービス」と、「地域のスーパーと連携した買物代行サービス」の2つのサービスを有償化、定期化し、本格的な社会実装を開始しました。
  • 2022年5月末時点でドローン配送実績256回 お買物代行サービス実績571回。
ドローンデポ®とは

既存物流とドローン物流との接続点に設置されるドローン配送のための倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ倉庫。新スマート物流における拠点となる。
→小菅村では以前商店だった空き家を活用しています。

ドローンスタンド®

ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備。
→小菅村では6ヶ所設置しています。(2022年2月末現在)

実施中のサービス

オンデマンド配送サービス

アプリから、食料品や日用品が最短30分前まで注文ができるオンデマンド配送サービス。日・祝日以外10時〜17時で営業中。配送料金1回300円。小菅村ではお客様は300アイテムある食料品、日用品から商品を選び、30分間隔に設定された16スロットの配送枠から配送希望時間枠と配送先のドローンスタンド®︎を選択して注文。お客様が指定したドローンスタンドへ、最短30分でお届けします。配送料は1回300円。基本はドローン便でお届けだが、天候等の事情でドローン便が難しい場合はおクルマ便による陸上配送でお届けします。

地域の商店と連携した買物代行サービス

専用アプリで買物した地域の商店やスーパーなどの商品や飲食店の出前が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービス。地域の商店のDX化支援の取り組みでもあり、モールEC型で展開するネットスーパー&フードデリバリーサービスです。小菅村では、近隣地域にある地元スーパーの約1,000アイテムの食料品、日用品から商品を選び、2時間間隔に設定された時間枠から希望時間枠を選択して注文。配送料は300円。正午までの注文を当日中にお届けします。

その他のサービス

小菅村においては、新スマート物流の社会実装の一環として、バス会社、物流会社各社の協力も得て、貨客混載や共同配送の試験的に開始するなど、様々な取組みを実施しています。

イベント概要
(終了)

地域物流の課題解決に取り組む自治体間の広域連携の発表と、より発展的な展開を目指す協議会の発足をご案内する第1部に続き、第2部では地域物流のこれからを考えるための先進事例紹介、テーマ討論を行うシンポジウムを開催します。

最新テクノロジーによる地域の問題解決にご興味のある方は、是非、ご参加をお願いいたします。

ご視聴をおすすめする方
  • 地域物流の維持・存続に課題をお持ちの自治体のみなさま
  • ドローンはじめとした最新テクノロジーを活用した地域課題解決にご興味をお持ちの方
  • デジタル田園都市国家構想に向けた取組みにご関心のある方
名称デジタル田園都市国家構想を
実現する
新スマート物流シンポジウム
日時2022年3月22日(火) 
10:00-12:00
開催形式オンラインLIVE配信
(会場:ベルサール虎ノ門)
主催新スマート物流推進協議会準備事務局
(北海道上士幌町 山梨県小菅村 
茨城県境町 福井県敦賀市 
北海道東川町:五十音順)
対象自治体の皆様
参加費無料(事前登録制)
プログラム
Part
10:00-10:50「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて
― 地域物流の課題に挑む自治体広域連携

ジタルとテクノロジーを活用し、地域物流の課題を解決するために。
持続可能な地域社会の実現にむけて、自治体の輪を広げていきます。

  • オープニング映像
  • 主催者代表ご挨拶
    • 登壇者:北海道上士幌町長 竹中 貢
  • 若宮健嗣 デジタル田園都市国家構想担当大臣からの応援メッセージ(映像)
  • 新スマート物流推進に向けた自治体広域連携協定締結式
    1. 5自治体における新スマート物流の取り組み紹介
    2. 広域連携協定の主旨説明・協議会発足のご案内
    3. 協定締結式
Part
11:00-12:00新スマート物流実現の切り札
―「空のインフラ整備とキーテクノロジー」

地域物流の効率性を高めるには、「空」の物流も必要不可欠です。
官民一体、企業間共創で進む事例をご紹介しながら、地域物流の未来を考えます。

  • ご挨拶(応援メッセージ)
    • 登壇者:鶴保 庸介様(参議院議員、無人航空機普及・利用推進議員連盟(ドローン議連)幹事長)
    • 登壇者:新川 達也様(内閣官房 小型無人機等対策推進室審議官)
  • 「新スマート物流」の先進事例紹介
    1. 「新スマート物流」の先進事例 ①:国産・物流専用ドローンの紹介
    2. 「新スマート物流」の先進事例 ②:SkyHub®の取り組み
  • テーマ討論「ヒトの流れ、モノの流れが地域社会を豊かにする
    -テクノロジーとグリーンで生み出す地域物流の未来」
    • 登壇予定:寺田 吉道様(国土交通省 大臣官房 公共交通・物流政策審議官)
           河合 秀治様( セイノーホールディング株式会社 執行役員)

アーカイブ配信

下記、リンクより、本シンポジウムのアーカイブ映像をご覧いただけます。