買物弱者、医療弱者、災害対応といった地域課題に密接に関わる物流の維持。そして物流業界自体が抱える課題の解決や付加価値の創出にはドローンをはじめとしたテクノロジーの活用が今後不可欠です。
今後の社会実装に向けてより多くの自治体様と企業の皆様にもご参画いただき、地域社会から日本を元気にする嚆矢となることを願っております。

主催イベントのご案内
~アーカイブ配信中~

~イベント概要~

EC市場の成長にともなう個宅配送の増加、エネルギー価格の高騰、環境負荷の低減ニーズなどに加え「物流2024年問題」による深刻なドライバー不足で、特に配達効率の低い地方から物流基盤の崩壊が起こることが危惧されています。これは我々の生活基盤存続に関わることであり、もはや物流業界だけの問題ではありません。
既存の陸上配送とドローン配送の組み合わせを中心に、地域社会のモノの流れを効率化・最適化することでラストワンマイル物流を持続可能にする取り組みを官民連携で進める全国新スマート物流推進協議会では、「物流2024年問題」が社会的な注目を集めている今、その課題に向けた国や自治体、物流業界の取組みを俯瞰するとともに、ひとつの解決策になりえる「新スマート物流」の取組みと成果、さらに今後について紹介するシンポジウムを開催いたします。

ご参加をおすすめする方
  • 地域物流の維持・存続に課題をお持ちの自治体のみなさま
  • ドローンはじめとした最新テクノロジーを活用した地域課題解決にご興味をお持ちの方
  • デジタル田園都市国家構想に向けた取組みにご関心のある方
名称【第2回】新スマート物流シンポジウム
物流2024年問題に挑む
~加速する新スマート物流の取組みと今後の可能性~
日時2023年7月7日(金)10:00-12:00(終了後、13:00まで名刺交換会・懇親会)
会場ベルサール神保町アネックス
(〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2丁目36−1)
形式リアル×オンラインLIVE配信のハイブリッド形式
主催新スマート物流推進協議会
後援岩手県、茨城県、広島県、佐賀県
対象自治体の皆様、企業の皆様
参加費無料(事前登録制)
~プログラム~
  • 主催者代表挨拶
    • 登壇者:全国新スマート物流推進協議会 会長 竹中 貢(北海道上士幌町長)
  • テーマ講演「物流2024年問題への対策とドローン物流への期待」
    • 登壇者:国土交通省 自動車局長(物流・自動車担当) 鶴田 浩久様
  • 成果・事例紹介「全国新スマート物流推進協議会の取組み・成果 及び 事例紹介」
    新スマート物流導入成果、先行自治体の共同配送、貨客混載の事例等
    • 登壇者:株式会社NEXT DELIVERY 代表取締役 田路 圭輔様(全国新スマート物流推進協議会 理事)
  • 製品・サービス紹介「地域物流の効率化のための新製品・新サービス」
    「KDDIスマートドローンの運航管理システム」及び「SkyHub®︎TMS」とその連携について
    • 登壇者:KDDIスマートドローン株式会社 代表取締役社長 博野 雅文様(B会員)
          株式会社エアロネクスト代表取締役CEO 田路 圭輔様(全国新スマート物流推進協議会 理事)
  • パネルディスカッション「物流2024年問題に挑む~持続可能な地域物流の実現に向けて」
    • パネリスト:
       国土交通省 自動車局長(物流・自動車担当) 鶴田 浩久様
       佐川急便株式会社 東京本社 事業開発部 事業開発担当部長 佐藤 諒平様
       株式会社 サンワNETS 専務取締役 運輸事業本部統括 関連本部統括 山崎 康二様
      モデレーター:
       セイノーホールディングス株式会社 執行役員 河合 秀治様(全国新スマート物流推進協議会 理事)
  • 特別講演「デジタルの力で実現する地方発の豊かな社会づくり」
    • 登壇者:デジタル大臣 河野 太郎様
  • 入会ご案内
    • 全国新スマート物流推進協議会 事務局
  • 閉会挨拶
    • 全国新スマート物流推進協議会 常任理事 舩木 直美(山梨県小菅村長)

新スマート物流とは?

買物弱者、医療弱者、災害対応といった地域社会の抱えるさまざまな課題に物流は大きく関係しています。また、人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応など、物流業界自体が抱える課題も多く存在しています。そのような課題の解決にデジタルとテクノロジーを活用することが、地域物流の持続性を保ち、豊かで活き活きと暮らせる地域を守るためには不可欠です。

具体的には、地域の中での荷物の動きの最適化、地域に出入りする荷物の動きの集約と効率化、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等の複層的な活用により地域社会のモノの流れを最適化させ、省人化対応、脱炭素化を実現していくこと。それが「新スマート物流」の概念です。

全国新スマート物流推進協議会とは?

新スマート物流を通じて豊かな地域社会を実現していくには先行する地域の取組み事例や実装プロセス等の貴重な経験値を関係者で共有していくことは極めて有効です。政府が推進するデジタル田園都市国家構想の「地方の魅力をそのままに、都市に負けない利便性と可能性を」を実現するべく、多様なプレイヤーが知恵を出し合いながら新しい社会基盤をともに築いていく。自治体を中心に、官民・業界内外の垣根を超えたオープンな議論と情報共有を行い、新スマート物流のより早い社会実装を推進していく組織です。

発起人代表メッセージ上士幌町長 竹中 貢

上士幌町長 竹中貢

この度は、全国新スマート物流推進協議会にご関心を賜り、誠にありがとうございます。

我が国は2008年を頂点に人口減少に転じ、中でも農山漁村、離島では、少子高齢化が顕著で、人口減少が加速し、自治体消滅の危機に直面しております。そのため、都市と地方、北から南まで均衡のとれた発展と持続可能なまちづくりを目指す新たな地方創生は、喫緊の課題となっております。

私が町長を務めております上士幌町は、東京から1000㎞以上離れた所に位置しております。この距離を縮めることはできませんが、ICTが時間軸を縮め、人口規模にかかわらず、都市と同様のサービスを可能とするのがテクノロジーの力と考えております。

全国的に地方の鉄路が廃止されている中で、高齢者等の交通弱者は、買い物や通院などに不便な生活が強いられています。こうした現状に本町では、いつでも必要に応じて移動できるMaaSの取り組みや、買い物弱者のためのドローンを活用した配送などで、誰一人取り残さない地域づくりに取り組んでおります。また、物流のラストワンマイルに、ドローン等最新のテクノロジーが活躍することは、脱炭素、省エネの観点からも極めて価値のあることと認識しております。

国としても岸田内閣が地方創生の主要施策として「デジタル田園都市国家構想」を掲げられました。社会や経済におけるデジタル化が大きな潮流となる中、地方が抱える共通した課題に対応すべく、思いを同じくする自治体が発起人となって「全国新スマート物流推進協議会」を発足することとなりました。今後は全国の自治体や企業の多くの皆様の賛同を得て、その輪を広げ、「全国どこにいても快適、どこでも安心して暮らせる日本」を官民が一体となって実現していきましょう。

これまでの取り組み実績

小菅村が抱える課題

小菅村は人口約700名(約330世帯)、高齢者率45.9%(2020年10月時点)であり、市街地から離れた山奥に位置する過疎地域です。村内にはコンビニも無く小型商店が1店舗あるのみで、スーパーに買い物に行くには、車で片道約40分かけて隣町まで行かなければならないため、買い物弱者問題が深刻化しています。また村内には古くからの診療所が1つあるだけで、総合病院や検査のためには隣町まで通う必要があります。

新スマート物流の導入
(実施主体:セイノーHD㈱、㈱エアロネクスト、㈱NEXT DELIVERY

  • 村内に空き家を活用した物流倉庫兼拠点(ドローンデポ®︎ )を設置し、2021年4月からドローン配送と小菅村の隣の都留市にある地元スーパーの食料品・日用品の買物代行を試験的に開始し、日常的なコミュニケーションを通して村民の理解を深めながら、頂いた声を反映し、本格サービスに向けて改善と磨きこみを実施していきました。
  • 2021年11月からは「ドローン配送を含むオンデマンド配送サービス」と、「地域のスーパーと連携した買物代行サービス」の2つのサービスを有償化、定期化し、本格的な社会実装を開始しました。
  • 2022年5月末時点でドローン配送実績256回 お買物代行サービス実績571回。
ドローンデポ®とは

既存物流とドローン物流との接続点に設置されるドローン配送のための倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ倉庫。新スマート物流における拠点となる。
→小菅村では以前商店だった空き家を活用しています。

ドローンスタンド®

ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備。
→小菅村では6ヶ所設置しています。(2022年2月末現在)

実施中のサービス

オンデマンド配送サービス

アプリから、食料品や日用品が最短30分前まで注文ができるオンデマンド配送サービス。日・祝日以外10時〜17時で営業中。配送料金1回300円。小菅村ではお客様は300アイテムある食料品、日用品から商品を選び、30分間隔に設定された16スロットの配送枠から配送希望時間枠と配送先のドローンスタンド®︎を選択して注文。お客様が指定したドローンスタンドへ、最短30分でお届けします。配送料は1回300円。基本はドローン便でお届けだが、天候等の事情でドローン便が難しい場合はおクルマ便による陸上配送でお届けします。

地域の商店と連携した買物代行サービス

専用アプリで買物した地域の商店やスーパーなどの商品や飲食店の出前が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービス。地域の商店のDX化支援の取り組みでもあり、モールEC型で展開するネットスーパー&フードデリバリーサービスです。小菅村では、近隣地域にある地元スーパーの約1,000アイテムの食料品、日用品から商品を選び、2時間間隔に設定された時間枠から希望時間枠を選択して注文。配送料は300円。正午までの注文を当日中にお届けします。

その他のサービス

小菅村においては、新スマート物流の社会実装の一環として、バス会社、物流会社各社の協力も得て、貨客混載や共同配送の試験的に開始するなど、様々な取組みを実施しています。

アーカイブ配信

下記、リンクより、第1回新スマート物流シンポジウムのアーカイブ映像をご覧いただけます。